CPC研究会



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 ■ ご挨拶

CPC研究会は、1978年に炭素材料学会会長(当時)の故本田英昌先生によって設立されました。発足当初は、石炭、石油、重質油等の処理技術とその有効利用を検討する勉強会として活動していましたが、その後、時代の変遷や社会の要請に対応する形で、これら化石資源、すなわち“黒もの”を主原料とする材料の利用技術やその周辺技術に比重を移しました。さらに最近では、カーボン材料の構造や物性を中心とした基礎科学、加えて物理的、化学的、生物学的特性を活用した応用技術を主要テーマに取り上げ、最先端の研究開発動向の調査を行いながら、関連する分野の産学官の研究者・技術者に情報交換の場を提供しています。
 カーボン材料はCという単一の元素から構成されているにもかかわらず、多様性と多面性に富んだ極めて魅力ある材料です。古くて新しい材料である活性炭、カーボンブラック、黒鉛電極に代表されるクラシックカーボンから、ダイヤモンドや炭素繊維、さらにはフラーレンやカーボンナノチューブあるいはグラフェン等のナノカーボンファミリーまで、時代を経て常に注目され続けてきたことがその証左と言えます。
 CPC研究会は、この多くの可能性を秘めたカーボン材料の科学と技術の発展に貢献することを目的に、基礎科学の推進や関連産業との連携に積極的に関わっていく所存です。そして願わくは材料研究における「死の谷」や「魔の川」に果敢に挑む研究者・技術者の一助になりたいと考えています。
 これまで40有余年にわたり、本研究会の活動を支えていただいた多くの皆様に改めてお礼を申し上げるとともに、今後ともなお一層のご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。
                     



2019年4月
CPC研究会会長 児玉 昌也